個人カフェやベーカリーのオーナーの方からよくいただくご相談があります。「Instagramでは毎日のように発信できているのに、なぜか新規のお客様からの指名検索が増えない」「公式ホームページを持った方がいいのは分かるけれど、どこまで作ればいいのか見当がつかない」――この2つです。
理由はシンプルで、SNSの投稿は「流れていく」もので、Instagram内の検索もGoogle検索の表示にはほとんど効きません。だから「変わらない情報を置いておく場所」――公式ホームページが、SNSとは別軸で必要になります。
ただ、ここでよくある誤解が「公式HPは何ページもある立派なものを作るべき」というもの。個人店、それも小規模な飲食店に限って言えば、1ページで十分です。むしろ多ページに広げるほど、運用のリスクが増えていきます。
多ページHPは「更新が止まった瞬間」に閉店感を出す
トップ・お知らせ・ブログ・スタッフ紹介・ギャラリー・お問い合わせ……と、ページを増やすほど更新の負担も増えます。半年放置されたブログ、二年前で止まったお知らせ、もうメニューから外したはずの商品ページ。そのどれか一つが残っているだけで、初めて訪れたお客様は「このお店、まだやってるんだろうか」と一瞬迷います。
個人店は、そもそも更新に割けるリソースが限られています。お店を回しながら原稿を書き、写真を撮り、ページを更新する――そんな時間は、現実にはなかなか確保できません。それなら最初から「更新前提のないページ」だけを置く方が、よっぽど誠実です。営業時間とコンセプトと連絡先――そこだけは絶対に古びない。残りの「鮮度」はInstagramに任せればいい。これが1ページLPの設計思想です。
個人飲食店のLPに必要なのは、たった6要素
実際に1ページの公式LPに必要な情報は、以下の6つに集約されます。
- 営業時間と定休日 ─ スクロール最上部、ファーストビューに近い位置に
- アクセス ─ Googleマップ埋込/駐車場の有無/最寄駅から徒歩何分
- メニュー写真 ─ 看板商品を3〜5点。価格表記の有無はお店の方針で
- コンセプト ─ 誰が、どんな想いでやっているか。短い物語が一段落
- 予約導線 ─ 電話タップ/予約サイト/フォーム、ひとつで構いません
- SNSリンク ─ Instagram公式アカウントへの導線
これ以上の情報は、本当にいりません。今日の限定スイーツ、新作の試作、急なお休みのお知らせ――これらは全部、Instagramの投稿に流せば届く相手に届きます。LPは「変わらない名刺」、Instagramは「日々の声」。役割を分けるだけで、両方の運用がぐっと楽になります。
Instagramと公式LPは、競合しない。役割が違う
「Instagramがあれば公式HPは要らないのでは?」とご質問いただくこともあります。逆です。役割が違うからこそ、両方あるとちゃんと回ります。
| 項目 | 公式LP(1ページ) | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 日々の鮮度を届ける | 変わらない情報の受け皿 |
| 強み | フォロワーへのリーチが速い | Google検索・地図検索で見つかる |
| 弱み | 投稿本文中のURLはタップしてもリンクにならない | 毎日更新する文化に向かない |
| 向く情報 | 今日の限定品/店内の様子/季節の変化 | 営業時間/住所/コンセプト/予約先 |
Instagramのプロフィール欄には、2023年のアップデートで最大5つまで外部リンクを置けるようになりました。ただ、プロフィール画面で目立つ位置に表示されるのは最初の1つだけ。残りの4つは「他○件」の展開メニューに格納されます。だからこそ、その一番目立つ位置に、店の全部が詰まった公式LPを置くのが効率的です。Linktree などのリンク集サービスを噛ませる選択肢もありますが、結局その先に「お店の全体像が分かる1ページ」が必要、という構図は変わりません。
Googleマップからの流入を、取りこぼさない
意外と見落とされがちなのが、Googleマップ経由の動線です。「沼津 カフェ」「三島 ケーキ」と検索されたお客様は、まずGoogleマップ上の店舗一覧を見ます。そこから店舗のビジネスプロフィールに入って「ウェブサイト」のリンクをタップする――これは、飲食店にとって見逃せない流入経路です。
ここで公式サイトの欄が空っぽだと、お客様は仕方なく食べログやInstagramのプロフィールを直接探しに行きます。情報がバラついて、お店の世界観も伝わりにくくなる。1ページのLPがGoogleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄に置いてあるだけで、検索結果上の信頼感がぐっと変わります。1ページであることはGoogle側にとってマイナスではありません――小さな店舗が無理に多ページを抱えて、内容の薄いページを増やす方がよほどマイナスです。
雪工房の事例:「世界観で選ばれる」店づくり
具体的な仕上がりを見ていただくのが早いと思います。たとえば焼き菓子店のこもれびクッキー。1ページ完結のLPで、商品の価格表よりも「陽だまりのレシピ」というコンセプトと、店主の手仕事の物語を主役にしています。「価格帯ではなく、世界観で選ばれる」設計です。
和菓子の菓子處 月乃雫も同じく1ページ。季節の上生菓子の物語を語り、ECや催事ではなく実店舗への来店動機を高めることに振り切っています。日々のお品書きや旬のお菓子はInstagramで、お店としての顔は公式LPで――という棲み分けがきれいに機能しています。
※ ポートフォリオはすべてデモ用の架空店舗です。実在する店舗・事業者ではありません。
小さな飲食店こそ、1ページから始める
雪工房のLPプランは、1ページ完結のレスポンシブHPで買い切り¥10,000。Cloudflare Pagesの永久無料枠で配信するため、月額の固定費はかかりません。ドメイン年額(約¥1,500)以外、ランニングコストはゼロです。
「Instagramの先にちゃんとした店構えがある」という印象を作るのに、何ページも要りません。多ページに広げるのは「Instagramで間に合わない情報が出てきてから」で十分。まずは1ページから、という選択は、小さなお店ほど合理的だと感じます。
公式HPがあった方がいいかも、と前から思っていた方は、お問い合わせフォームから業態と現状をお聞かせください。Instagramのアカウント運用状況も伺った上で、無理のない構成をご提案します。
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