制作相談に来られる院長先生から、「うちの HP は古いから集客できない」というお話を伺うことがよくあります。実際にサイトを拝見すると、デザインの古さよりも 業種特有のルールに合っていない、あるいは 患者さんの動線を切り落としている、という構造的な問題のほうが目立ちます。デザインだけ刷新しても、土台が崩れたままでは予約は増えません。順番に見ていきましょう。
失敗1:柔道整復師法 第24条の広告制限を踏み越えている
整骨院・接骨院の HP で一番怖いのが、柔道整復師法 第24条(広告の制限)への抵触です。同条は「広告できる事項」を 限定列挙 する作りで、列挙にないものは原則として広告できません。違反すると同法 第30条第5号により 30万円以下の罰金 が科されます。
広告できるのは、おおむね次の事項です。
- 柔道整復師である旨、その氏名、住所
- 施術所の名称、電話番号、所在地
- 施術日または施術時間
- 厚生労働大臣が指定する事項:「ほねつぎ(または接骨)」、施術所の届出をした旨、医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼・骨折は医師の同意が必要な旨を併記する場合に限る)、予約に基づく施術、休日・夜間における施術、出張による施術、駐車設備に関する事項
逆に、HP に載せがちでリスクが高いのは次の表現です。地元の保健所から削除を指導される、という話も実際に出ています。
- 「肩こりが治る」「骨盤矯正で◯cm 細くなる」など 効能・効果 の表現
- ビフォーアフター写真、施術前後の体型・姿勢比較
- 患者さんの体験談、喜びの声、口コミ、お客様の声
- 「先生の腕は神業」「地域 No.1」のような 推薦・評価 表現
- 部位別の施術方法の解説(第24条第2項で、技能・施術方法・経歴に踏み込んだ広告は禁じられているため)
誤解されがちなのが、厚生労働省の 医療広告ガイドライン(「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」)との関係です。整骨院・接骨院は医業ではない(医療機関ではない)ため、このガイドラインがそのまま適用されるわけではありません。ただし、列挙された事項しか広告できないという 柔道整復師法のほうが、結果としてより厳しい構造 になっています。鍼灸院を併設している場合は、別途 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)の広告制限も重なります。
とはいえ、書ける情報は意外とたくさんあります。資格・氏名・院名・所在・営業時間・施術日・予約方法・駐車場・休日夜間対応・療養費支給申請の可否といった「事実」は、患者さんが通院先を選ぶときに必ず確認したい情報です。派手な表現に頼らず、事実を丁寧に書き切る ことが、結果的に違反リスクを下げ、信頼の積み上げにもなります。
失敗2:予約導線が電話のみで、夜間・営業中の患者さんを取りこぼす
整骨院・接骨院に通う患者さんの多くは、痛みを抱えた状態でスマホから情報を集めます。仕事終わりの 21 時に「明日の朝、予約したい」と思った瞬間、HP に 電話番号しかない と、その人は翌日電話する手間より「いま予約できる別の院」に流れます。
「電話のほうが症状を聞けて確実」という現場感覚は理解できます。問題は、選ぶ前段階の患者さんは電話したがらないという点です。雪工房では予約導線を 3 層で設計することを推奨しています。
- 24時間受付できるネット予約:リザービア、STORES予約、Googleの予約機能などのSaaS連携で十分。導入コストは月数千円から
- LINE 公式アカウント:友だち追加 → トークで予約。リピーター・常連の動線として強い
- 電話番号:これまで通り常設。急ぎの相談・症状の事前確認に
3 つの選択肢を並べると、新患は予約フォーム、リピーターは LINE、急ぎの相談は電話、と自然に住み分けます。電話の本数が増えるのではなく、機会損失が減る のが効果の出方です。
失敗3:院長プロフィールが薄く、誰がやっている院かわからない
柔道整復師法の制限上、「すごい先生です」とは書けません。それでも、患者さんは結局「人を選んでいる」のが実態です。プロフィールページがない、または「院長 ◯◯」とだけ書いてある院は、特に女性・高齢の方・初めて整骨院に通う層から外されやすい傾向があります。
書けないのは「腕前」や「技能」であって、書ける事実は十分にあります。
- 柔道整復師である旨と氏名(広告可能事項)
- 施術所の所在・勤務日(広告可能事項)
- 出身地、地域への思い、地域貢献の事実
- 子育てやスポーツなど、患者層と重なる生活背景
加えて、笑顔の顔写真を 1 枚 載せるだけで、初診のハードルは目に見えて下がります。広告制限にも触れず、信頼形成に直結する、コストパフォーマンスの高い改修です。「先生がどんな人かわかった」という感覚が、最後に予約ボタンを押す決め手になります。
失敗4:スマホで開くとレイアウトが崩れ、予約までたどり着けない
整骨院・接骨院 HP の流入は、当方が制作支援した院のアクセス解析を見るかぎり スマートフォン経由が 8〜9 割 です。それなのに、PC で作ってスマホ確認をしていない HP がいまも残っています。具体的によくある症状はこれです。
- ヘッダーメニューがタップしにくい・押せない
- 電話番号や住所がコピーできない、Google マップが開けない
- 本文の文字が画面からはみ出している
- 予約ボタンが画面下に流されて見つからない
- ページの読み込みが 3 秒以上かかり、戻るボタンを押される
最低限のチェック観点は 2 つで足ります。Google PageSpeed Insights でモバイルのスコアを見る、実機(iPhone と Android の両方)で開いて指で操作する。「制作会社に任せたから大丈夫」と思っていたのに実機で見たら崩れていた、というのは珍しくない話です。
失敗5:Google ビジネスプロフィール(GBP)と連携していない
「沼津 整骨院」「三島 整骨院 夜間」のような検索をかけると、検索結果の上位は マップ枠(ローカルパック) に占められます。Google ビジネスプロフィール(GBP、旧 Google マイビジネス)を最適化していない院はここに出てきません。HP だけ作って GBP を放置している状態は、駅前のシャッターを閉めて店内だけ綺麗にしているのに近いです。
最低限やっておきたい連携は次のとおりです。
- HP と GBP で 営業時間・住所・電話番号(NAP)を完全に揃える
- HP から GBP の口コミページへリンクする
- GBP のウェブサイト欄から HP へリンクする
- 月 1〜2 回、休診情報や駐車場の案内など 事実ベース の投稿を行う
両面提示で言うと、GBP だけでも来院は伸びます。ただし、Google のアルゴリズム変更や規約変更で表示順が一晩で変わることがあるのも事実です。所有権が自分にある HP と、表示力の大きい GBP を併走させる のが、長期で見たときの安全策です。
5パターンを潰す優先順位
5 つを一気に直すのは現実的ではありません。優先順位は次の順で考えると無理がありません。
- 失敗1(広告制限違反):罰則リスクがあるので最優先で削除・修正
- 失敗5(GBP 連携):集客の入口なので 2 番目
- 失敗2(予約導線):取りこぼしを止める
- 失敗4(スマホ表示):流入の 8 割が掛かっている
- 失敗3(院長プロフィール):信頼形成、最後の押し
失敗1 は いまある HP からまず削る作業、失敗 2〜5 は 足していく作業です。順番を逆にすると、リスクのある表現が残ったまま流入だけ増える形になり、指導や苦情のリスクが先に出てきます。
雪工房での対応
雪工房(SNOW WORKSHOP)では、静岡県東部を中心に、整骨院・接骨院を含む店舗向けの 月額0円ホームページ を制作しています。広告制限に引っかからない構成、3 層予約導線、GBP 連携を前提に、サービスページ に記載の通り、買い切り LP ¥10,000 / HP ¥15,000 / AIO・SEO HP ¥300,000 のプランでご提供しています。エリアごとの相談窓口や対応範囲は 沼津市の対応ページ ・ 三島市の対応ページ にまとめてあります。
既存サイトの「広告制限に触れている表現の洗い出し → 削除 → 代替表現の提案」というスポット改修も承っています。新規制作と一緒に既存ページの改修を行うケースも多く、お問い合わせフォーム から現状の HP の URL とご要望をお寄せください。
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免責事項
本記事は 2026 年 5 月時点の柔道整復師法・関連通知を元に、雪工房(SNOW WORKSHOP)が制作実務の観点から整理したものです。広告規制の運用は所轄の保健所・自治体ごとに細部が異なる場合があります。具体的な表現の可否については、所轄の保健所または都道府県の薬務・医療指導担当窓口、および柔道整復師会へのご確認をお勧めします。本記事は法的助言ではありません。
制作・改修のご相談は、お問い合わせフォーム または LINE から、業種・規模・現状サイトの URL をお聞かせください。